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ウォウウォウ

震災後に客先で聞いた不可思議な現象

被災地、タクシーに乗る幽霊 東北学院大生が卒論に:朝日新聞デジタル

 

これのブコメにも書いたんですが、震災後に客先で聞いた不可思議な現象について。身バレは嫌なので少しぼかしますけど。

 

私が勤めている会社は東日本大震災ではモロに津波の被害に遭った。幸い人的被害は無く、事務所は津波が壁をぶち破っており半壊、そして室内はぐっちゃぐちゃ。キャビネットはなぎ倒され、パソコンはバラバラになり、すべての書類が泥に埋まった。

同様の被害にあった会社は複数ある。ライバル会社も仲間内の会社も。私が担当していたお客さんも同様、人的被害は無いが事務所が使いものにならない状態で、どーしよーもない状況を目の前にし担当者と笑ったことを覚えている。

あるときそのお客さんから連絡があり、別に仲良くしていた会社から空いてる倉庫を借りることができたので業務を再開するという。正直うらやましかった。その地域は津波で建物がないし、自由に土地の売買ができなかった状況にあったからだ。

その物件は街の比較的中心部にあった。古い建物でホコリまみれだったが中は広く、以前の事務所には無かった休憩室やロッカールーム、シャワー室なんてのもあった。津波を被っていたもののせいぜい倉庫側が床上浸水していたくらい。階段を数段上がったところにある事務所は全然問題なかった。

震災から4カ月、データをいろんな会社からかき集めて、新しい場所でようやく業務が再開した。周りは瓦礫の山だったが、ようやく落ち着いて仕事ができると意気込んでいた。私も時々訪問してお茶をいただいたりしていた。

 

「不思議な現象」が起こり始めたのは7月の下旬くらいからだという。昼休みに休憩室で休んでいるとどこからともなく「ンンンンン…」という音と振動が伝わってきた。誰かの携帯電話のバイブ音かと思ったが、鳴っていると思しき方面には壁しか無い。しばらくするとそれは止んだ。

また別の日、またもや「ンンンンン…」という音と振動が、今度は天井から聞こえてきた。もしかしたら樹の枝か何かが屋根にあたっている音か?とも思って屋根や屋根裏を調べたがそんなことは無かった。しばらくするとそれは止んだ。

それからたまに「ンンンンン…」という音は聞こえた。1日に何度も聞こえるときもあれば、全く聞こえない日もある。聞こえてくるのは休憩室。社員全員がその音を聞いていた。当時家を流された社員が数名ほど休憩室に泊まっていたが、夜は聞かなかったらしい。

誰かが冗談めかして「震災で亡くなった人が気付いて欲しくてやってんじゃないの」と言った。普段なら冗談で済む話だが、数百人が亡くなった瓦礫だらけの街でのことだから変に信憑性が出てくる。それまではあんまり気にしていなかった「ンンンン…」という音と振動だが、その現象が起こると「近くに霊がいる」という認識が従業員の間に定着、その現象に敏感になっていたし、怖がるようになっていた。

そんなある日、本社から社員が陣中見舞いも兼ねてやってきた。久しぶりなこともありその社員を囲んで休憩室でバカ話をして騒いでいた。震災後ずーっと緊張しっぱなしだったし、気心知れた外部の人間とくだらないことを言い合えたのは何よりもリフレッシュになった。

が、次の瞬間

 

 

 

ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛

 

 

 

と、これまでに無いくらいに大きな音と振動。事務所のみんなは悲鳴を上げてその場から逃げた。きょとんとした顔で取り残される本社の社員に「おい、逃げろ!」と他の社員が叫ぶ。わけもわからず倉庫に逃げるその社員だが、事前にこの話をしていたため、「今のが幽霊のやつですか?あんな音するんですか!」と驚いていたという。このときこの社員は持っていた携帯電話で休憩室の写真を撮っていたが、カシャっと音はするもののなぜかまともに撮影できなかったらしい。

この出来事が決定打と鳴りお祓いをしてもらったとのこと。その日以来「ンンンンン…」という音や振動もはピタリと止んだらしい。

その会社がその倉庫兼事務所を使っていたのは2012年いっぱいくらい。今はどこか別の会社が入居しているが、現象は再発してたりするのだろうか。その場所の前を通るたびにちょっと気になっている。

 

 

※後出し的なところもあって申し訳ないけどブコメへの返答:

工事の音・工事の影響は当然考えたらしいんだけど、それとも違うらしい。この場所は内陸に数百メートル入った場所。沿岸の方に街の中心部があり、そこが全部流されてしまったため、遺体の捜索や瓦礫の撤去など、復興に関するリソースはすべてそっちに持って行かれてて外は大変静かだった。

ちなみに「ンンンンン」という音は、事務所の外ではなく明らかに中から聞こえてたんだそう。

 

で、自分はお化けとか幽霊とか死後の世界とかは信じて無いので、これをそういった心霊現象だというつもりはない。だからタイトルに「現象」ってつけた。もしかしたら科学的に説明できるかもしれないし。ただ、こういったことを「工事の音でしょ」って憶測で決めつけたくないし、一方で幽霊だって騒ぐこともしたくない。現象を現象として楽しみたいという気持ちがある。だからこの大学生の卒論、最後どうやってまとめるのかとても興味あるんだよなあ。読めないかなあ。